ルコナックとは
ルコナックは佐藤製薬が開発し、2016年に認可された爪白癬(爪水虫)専用の塗り薬です。2014年に認可された「クレナフィン」に続いて、国内2番目の爪水虫専用の外用薬(塗り薬)です。
ルコナックの一般名は「ルリコナゾール」です。ここから「ルコナック」という商品名がつけられました。
実はルリコナゾールは、肌用の水虫薬としてすでに用いられています。「ルリコン(軟膏・クリーム・液)」という商品名ですでに発売されています。爪水虫用のルコナックは濃度を高めて、爪水虫専用の塗り薬として新たに開発されました。
ルコナックは市販されているの?
2022年現在、残念ながらルコナックは市販されていません。入手するには医師の処方箋が必要です。
ルコナックの代替品は?
ルコナックと類似の治療薬にクレナフィンがあります。しかし、こちらも現在市販されておらず、医師の処方箋が必要となります。
ルコナックの特長
爪水虫の原因となる白癬菌は、硬い爪の中に潜んでいます。このため、白癬菌を退治するには、爪の中に薬剤を浸透させる必要があります。ルコナックは、爪に浸透しやすい性質を持っています。また、肌用に比べて濃度を上げることで、爪の中に入っても白癬菌に対して十分効果のある濃度を保つようになっています。
ルコナックの有効性
ルコナックは臨床試験において、爪水虫に対して一定の効果があることが認められています。
日本人に対して完全治癒率は14.9%となっています。
(参考サイト:爪白癬治療剤 ルコナック 爪外用液5% ルリコナゾール外用液 | 臨床成績 | 第Ⅲ 相試験)
クレナフィンの完全治癒率が28.8%ですので、クレナフィンの方が効果が高いようです。
ルコナックの使用方法
ルコナックは、文房具の修正液のようにして爪に塗ります。容器を下向きにして、先端を爪に押し付けると薬液が出てきます。1回押して薬液を出し、それを爪全体に広げます。また、爪の先端部分にもひと押しして薬剤を塗ります。
終わったらティッシュペーパー等で先端をきれいに拭き取ります。
ルコナックの副作用
ルコナックの副作用としては、塗った部分の乾燥、皮膚炎、湿疹などがあります。薬液がはみ出したことにより影響が多くあるようです。これは、高濃度であることと、添加物にエタノールを使用していることが理由と考えられます。
はみ出した場合は、ティッシュペーパー等で拭き取る必要があります。
ルコナックの薬価
2016年現在、ルコナックは1gあたり997.8円です。
内容量は1本あたり3.5グラムなので薬価は約3,492円となります。ここから保険が適用されて、実際の支払いは安くなります。しかし、この薬を使うには通院する必要があります。爪水虫の治療は長期に渡るため、診察費用などを考えると結構な出費になります。
まとめ
ルコナックは先行するクレナフィンより安価で、経済的な負担は少なくなります。しかしながら、臨床試験での完全治癒率が14.9%とクレナフィンに比べてあまり高くありません。
ルコナックを使用する場合、爪水虫の経過を観察し、医師と相談しながら治療をすすめるとよいでしょう。