爪水虫に対して木酢液は効果があるのか

爪水虫について

木酢液で水虫が治ったという口コミが多数あり

木酢液は以前より水虫の民間療法として用いられてきました。
木酢液は酸性で殺菌力があると言われていて、水虫の原因菌である白癬菌にも効果があると言われています。

使用方法としては、木酢液を水で薄めて足を浸したり、または布に染み込ませて皮膚に貼るといった方法です。

楽天やAmazonでも木酢液は販売されていて、口コミには「水虫が治った」という書き込みを多数見つけることができます。ここでの水虫は、足裏や指の間のいわゆる皮膚の水虫のことです。

一方で、爪水虫についての口コミはほとんどありません。果たして木酢液は爪水虫に対して効果があるのでしょうか?

木酢液は水虫菌そのものに対しては効果あり

2004年に書かれた「白癬菌に対する木酢液の発育抑制・殺菌作用(PDF)」という論文では、実験で木酢液が白癬菌の発育を抑えたという結果が出ています。

この実験では、濃度3%以上の木酢液を白癬菌にふりかけると、発育を抑えられることが確かめられました。

木酢液は水虫の原因である白癬菌に対しては効果があるようです。

爪水虫にも効果があるのか

では、木酢液は爪水虫にも効果があるのでしょうか?

結論から言いますと、木酢液は爪水虫に対しては、あまり効果が期待できません。それは、爪には木酢液が染み込みにくいからです。

皮膚と爪を比較して比較して考えてみたいと思います。

皮膚の場合

皮膚の場合は、ある程度水分が染み込みます。長時間お風呂やプールに入っていると、下の写真のように手がシワシワになってしまった経験があるかと思います。これは、皮膚の表面にある角質層に水分が染み込んでふやけてしまうからです。

水分が染み込むということは、木酢液の成分も染み込むと考えられます。皮膚の水虫菌は角質層にいるので、殺菌が期待できるというわけです。だから、木酢液は足裏など皮膚の水虫に効果があるのでしょう。

爪の場合

爪の場合、水分はほとんど染み込みません。これは爪の表面には、水をはじきやすい層があるからです。長時間プールやお風呂に入っていても、爪がふやけた人という人はほとんどいないと思います。

水が染み込まないということは、木酢液も染み込まないと考えられます。爪の中にいる水虫菌まで届かないので、あまり効果が期待できないということになります。

爪水虫の対策は浸透させることがポイント

爪水虫の対策は、爪の中にいる水虫菌に、いかに殺菌成分を届けるかが重要です。

病院で処方される爪水虫の薬は、爪に浸透しやすい成分が使用されています。また、飲み薬で体の内側からアプローチする方法もあります。

爪水虫の治療は基本的に病院で診察してもらい、専用の薬を処方してもらうことをおすすめします。

参考情報

爪専用の薬用ジェルが販売されています。浸透力に特化し、爪の中の菌まで殺菌する製品です。
このジェルを使い、変化を実感している人も多くいるようです。 返金保証制度もあるので、お悩みの方は試してみてはいかがでしょうか。

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木酢液について

もう少し木酢液について、深堀りしてみたいと思います。

木酢液の成分

木酢液は80~90%水分です。残りの成分は有機酸(酢酸:お酢の成分)が多く、弱酸性を示します。その他としてアルコール類、フェノール類などが200種類以上含まれています。

主な殺菌成分は酢酸ですが、アルコール類、フェノール類にも殺菌作用を持つものがあります。これらが総合的に働くことによって、殺菌作用を持つと考えられています。

木酢液使用のメリット・デメリット

メリット

コスパがいい

なんと言っても最大のメリットは安く買えることでしょう。商品によってかなり差がありますが、安いものでは500mlペットボトルで500円程度のものがあります。

手軽に購入できる

ホームセンター、ドラッグストアで販売されていて、手軽に購入できます。また通販での購入も可能です。

デメリット

爪に浸透しにくい

先にも書きましたが、木酢液は爪の中には浸透しにくいため、中に潜む水虫菌まで届きません。よって爪水虫に対しての効果はあまり期待できません。ただ、表面や先端、爪の際などには効果があるかもしれません。

匂いがキツイ

木酢液は独特の匂いがあります。燻製のような煙にいぶされた匂いがします。製品によってもばらつきがありますが、口コミの中には「匂いが強いので、翌日仕事のある日は使用できない」「家族がいやがる」「靴下を履いても匂う」というものがありました。

爪が黄色くなる

木酢液は赤褐色(せきかっしょく:赤みを帯びたオレンジ色のような色)をしています。継続して使用していると、爪に色が移ります。製品によっても異なりますが、複数の人が口コミで言及しています。「素足を見せる季節には使用できない」と書いている人もいました。

製品によってばらつきがある

木酢液には様々な成分が含まれていて、原料や製法によってばらつきがあります。医薬品のように決まった規格があるわけでありません。このため、中には効果の劣る製品もあると考えられます。

また木酢液には、人体に有害な成分も含まれることもあり、逆に悪化してしまったり、アレルギー症状などを引き起こす場合もあるので注意が必要がです。

まとめ

繰り返しになりますが、木酢液は爪の中に染み込みにくいので、爪水虫に対して使うのはあまり効果的ではありません。

それは爪水虫の場合は、硬い爪の中に水虫菌(白癬菌)が潜んでいるからです。

爪の上に木酢液を塗ったり、爪を木酢液にひたしても、中に潜む菌まではなかなか到達しません。表面や根本、先端付近の水虫菌には効果があるかもしれませんが、奥に潜む水虫菌を退治するのはかなり難しいでしょう。

これが足裏など皮膚の水虫と違って、爪水虫の治療を難しくしている最大の理由です。

病院で処方される爪水虫薬は、爪の中に染み込みやすいように成分が調整されています。木酢液も同じように調整できればいいのですが、個人ではかなり難しいでしょう。

爪水虫を治療するには、硬い爪の中に有効成分をいかに届けるかが、重要になってきます。

木酢液で爪水虫が治ったという口コミもいくつかあるので、まったくダメというわけではないと思いますが、レアなケースだと考えられます。

あまり効果が期待できないのに、使用を続けて、かえって悪化させてしまう危険性もあります。

爪水虫の治療には病院を受診し、爪専用の治療薬を処方してもらうのをおすすめします。

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